
宇宙と地球の残酷なほど違う時間間隔が奏でる、『希望』のSF映画『インターステラー』
滅亡の危機に瀕する地球。人類を救うのはプランAかプランBか。
近未来系のSF作品ということで、ちょっと難しいのですが、ものすごく勉強になるし、めちゃくちゃ感動する面白い映画なのでお勧めです♪
このぺージでは「インターステラー」のあらすじネタバレ・感想を紹介します!
Contents
映画『インターステラー』のあらすじネタバレ
『起』
地球は異常気象と原因不明の疫病で人類は衰退していました。
世界は荒廃してしまい、地球は徐々に砂漠化し死の星になりつつあります。
今人類を生き繋いでいるのはトウモロコシ畑だが、
しかし、そのトウモロコシでさえ『いずれ枯れる』ことがわかり、もはや人類の死滅は確定した未来でした。
元NASAのエンジニアとして働いていたクーパーは祖父や娘と息子の下で農業を営んでいましたが、
ある日、クーパーはNASAの施設に迷い込み、そこで、旧知のブランド教授と再会を果たします。
ブランド教授は『人類は宇宙に進出して逃げ延びるしかない』という状況を語ります。
しかし地球に似た環境の星を見つけるにも1000年以上はかかり、現実的ではないとクーパーは返すのですが、
ブランド教授は土星近くに形成されたワームホールが人類存亡のカギを握ると語り、二つのプランを提示します。
(ワームホールはその性質的に自然発生はせず、明らかに知的生命体の意思があるため)
プランAは重力の謎を解き明かして宇宙に人類が生きられる拠点を作り出すプラン。
プランBはワームホールに飛び込み、別の銀河に旅立って人類が住める星を探すプラン。
プランAは調査の結果、現代技術では実現不可能だが、ブランド教授はクーパーに人類存亡のため、プランBの参加してほしい欲しいと語ります。
クーパーは子供たちの未来のために、プランBに参加することを決めます。
家族のことを長男トムに任せ、娘のマーフとの別れを惜しみ、クーパーはクルーたちと共に人類が住める星を目指して宇宙に旅立ちます。
『承』
そして2年が経過してワームホールに飛び込んだクーパーたちは、プランBに参加している別の宇宙船が放った信号を受信し、情報を得るためにその水の惑星に降り立ちます。
しかし、死宇宙船は大破しており、壁のような巨大な津波がクーパーたちを襲います。
結局宇宙船のブラックボックスも回収できず、クルーの一人も死なせてしまい、クーパーたちは命からがら、宇宙に逃げ出します。
この時、地球では23年もの月日が経過していました。23年分のビデオメッセージを見るクーパーは、残した家族たちの今を知り、
時間の壁ともいうべき、残酷さに涙を流します。
クーパーたちはマン博士がいる星に向かいます。
一方地球ではブランド教授が亡くなってしまい、その研究をマーフが引き継ぐことになるのですが、
プランAの嘘を知ってしまいます。
『転』
雲さえ凍る、氷の星に降り立ったクーパーたちはプランBに参加しているマン博士の拠点を発見します。
クーパーたちは冷凍睡眠中のマン博士を発見し、再会します。
マン博士曰く、この氷の星は『過酷だが、期待できる』といいますが、地球にいるマーフからのメッセージで、
プランAの嘘をクーパーたちは知ってしまい、プランBだけが望みであることを知ります。
そして、同時に、プランAの完成のためには、ブラックホールの特異点の情報(ブラックホールの粒子データ)が必要なことも。
クーパーは地球への帰還を決意するのだが、マン博士はクーパーたちを裏切り、クルーの一人を殺し、クーパー達の宇宙船を奪って自分だけでプランBを続行しようとします。
※プランAは事実上不可能(ブラックホールに飛び込んでデータを取る必要があるため)で、プランBはわずかでも可能性がある。
つまり、マン博士はプランBの可能性に欠けて凶行に及んだ。
しかし、それは失敗に終わり、マン博士は死亡。
さらに宇宙船にダメージを与えることになってしまい、宇宙船は爆発の勢いで回転。
クーパーたちは回転する宇宙船になんとかドッキングを成功させ、ブラックホールの重力を利用して別のクルーが担当している惑星に行くことを提案。
そしてそれを確実なものとするため、運動の第三法則(前に進むには後ろに何かを置いて行く)を利用し、
ターズ(人口AI搭載の機械)とクーパーはアメリアを宇宙船に残し、ブラックホールに飛び込みます。
『結』
クーパーがブラックホールで見たものは、マーフの部屋でした。
マーフの部屋で起きていたポルターガイストの正体はクーパー自身で、stayというメッセージはクーパーが引き起こしていたのです。
そう、クーパーは必至にマーフに『自分を行かせるな』と訴えていたのです。
プランAは完遂不可能で、プランBも瓦解。
クーパーはせめてマーフの元に居たいと願ったのです。
しかし、クーパーと同じようにブラックホールに入ったターズから通信が入り、
プランAに必要なデータを取ることに成功。
クーパーはポルターガイストを利用して、時計の秒針をモールス信号に変換します。
ついにマーフはついにプランAの完遂に必要なデータを受け取るのです。
そしてさらに時は流れ、プランAは完遂され、
土星近くに設置されたクーパーステーションにて、クーパーは保護されました。
マーフと再会したクーパーだが、マーフはアメリアを助けてあげてと言うのです。
クーパーはただ一人、銀河のとある星で活動を続けているアメリアに会いに行きます。
インターステラーの感想 身を引き裂くような別れの決断と愛する家族との再会の決意が泣ける
実は映画ジャンルの中で『SF』(世界観が掴みづらいので)が一番苦手なんですが、
そんな自分でも控えめに言っても【最高】の映画と思えるほど素晴らしい作品でした。
最初こそ、「ほぅ…なかなかよくできてるじゃん」なんて見ていたんですが、
ものの数分で、本作の魅力に取りつかれました。
『アポロ計画などただのプロパガンダ』、『今この世界は食糧難で、農業こそ力を入れるべき分野だ』など、
この作品の世界観が露になっていくにつれて、この世界が直面している厳しさを知っていきます。
そして、話が進むにつれ、ブラックホール、重力、時間、空間など科学知識をもっと知りたいという欲求が心に芽生えていきます。
下手な感想は書けませんが、『とにかく見たほうが良い!』と言える作品!
時間の残酷さが奏でるすれ違いと信じあう心。あまりにも辛く、苦しく、そして温かい物語です。
何度も見直して、きちんと理解していきたい。もっとこの作品を知りたい、もっとこの作品で感動したい。
そう思うほどの作品です。
SFジャンルということで、ある程度の基礎知識は必要かと思いきや、
序盤からじっくりと、そしてスーッと頭の中にインターステラの世界観が入ってくるので、安心して見ることができると思います!
特にお気に入りのシーンはクーパーが家族に別れを告げるシーン。
プランBの調査は数十年かかり、下手をすればこのまま死に別れ、仮に再会できたとしても数十年が経過した後になります。
何せ、土星に近づくのでさえ2年もかかるのですから。
マーフは賢い子ですが、まだまだ父親に甘えたい年頃。とても辛すぎることです。残された祖父とマーフを長男のトムに託すシーンは涙が出てきました。
そして、宇宙に旅立った後、ビデオメッセージのやり取りをするのですが、マーフは悲しすぎて、ビデオメッセージに入ることを拒んでいました。
現実を受け止められないですよね。まだ10歳前後の子どもなのですから。
ワームホールを用いた2次元と3次元の説明がわかりやすい
ワームホールは作中、球体の形状をしていました。
僕のイメージでも、空間的に穴のようなものが開いている?というイメージだったのですが、これがなぜ球体なのかという説明がありました。
ワームホールに飛び込むと、別の銀河に出ることになります。つまり、時空(時間と空間)を超えることになります。
つまり、AからBの位置に行くのですが、これを二次元的にみると、円の形をしていることになります。
では円を3次元に見るとどうなるのか?そう、答えは『球体』になるわけです。
紙にAとBの文字を書いてAとBをくっつけるようにして鉛筆で刺すと紙は輪っか(円)になりますよね?
つまり、2次元(紙の平面)では円なのですが3次元の縦軸を入れると円はつまり、球体なのです。
時間の感覚が残酷で辛すぎる。
地球での時間とクルーたちの時間は極端なずれがあります。イメージ的に、違う物理法則を受けているような感じです。
クーパーたちが旅立ってから数年しかたっていないのですが、地球時間では数十年が経過していることになります。
例えば水の惑星に降り立った時の時間感覚。
水の惑星に着陸した別のプランBのクルーは、『クーパーたちがやってくるつい数分前に死んだ』ということです。
それくらい時間間隔にずれがあります。
そしてジェシーは水の惑星から宇宙に戻ったとき、地球では23年が経過しており、その23年分のビデオメッセージを見たら
時間の残酷さが胸に突き刺さってきます。
トムは学校を次席で卒業、そして彼女ができ、結婚して子供ができ、でもその子供はもう死んでしまい、祖父も死に、
そしてトムは『もうこのメッセージは誰も聞いてないんだろ』と独白し、もうメッセージを送るのをやめ、諦めると語ります。
絶望するクーパーだが、次のメッセージが届きます。相手は愛娘のマーフから。その内容は、悲しみに満ちていました。
マーフはクーパーが旅立った時の年齢に達しており、クーパーに、『嘘つき』とメッセージを残します。
タイトル | インターステラー |
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ジャンル | SF、ヒューマンドラマ、世界系 |
制作国 | アメリカ |
上映時間 | 169分 |
日本公開日 | 2014年11月22日 |