(映画)アンシーン／見えざる者 ネタバレ感想 | 体は『消える』が家族の絆が『見える』良作映画

2016年のカナダ映画『アンシーン／見えざる者』。

 

体が透明になる奇病を抱えた男が、病気と向き合い、家族と向き合うというホラー・アットホーム映画。

 

この奇病について原因が語られることはありませんが、孤独の痛みや家族の大事さがしっかりと描かれており、

寄り添う家族愛が素敵な物語です。

 

ここからは「アンシーン／見えざる者」のあらすじ・ネタバレ・感想を紹介していきます。

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ボブは家族と離れて8年。孤独に生きる男だった。ある日ボブのところにダーリーンから電話がくる。娘のエバが固く心を閉ざしているからだ。

今エバに必要なのは父親という存在なのだが、ボブは「忘れろ」と言って電話を切る。

 

 

ボブの左腕と小指と薬指には包帯が蒔かれており、その包帯の下は欠損したように透けていた。

またボブには薬物使用車の裏の顔もあった。

症状が進行する際には痛みが生じる。それで彼は薬物を使って気を紛らわせていたのかもしれない。

 

 

ある日の仕事中、ボブはエバに会うために帰京することにする。

しかし、途中で車にトラブルが発生して立ち往生。

浅い付き合いの薬の売人ネルソンをたよるのだが、ボブの元にやってきたのはクリスビーというネルソンの上役にあたる男だ。

 

 

彼はボブにヤクの運搬を依頼。

ボブは金に困っていることもあってそれを引き受けることにする。

 

 

そしてダーリーンと再会して一泊。翌日にはエバと再会するのだが、

ボブはクリスビーに頼まれた運びの仕事があり、同行を申し出たエバを拒んでしまう。

運びの仕事が終わってボブはエバに謝罪をして少し仲直りをする。

 

 

一方エバは悪友たちと精神病院跡地に度胸試しに行っていた。

しかしエバの目的はその病院に入院していた祖父の死の真相・・・つまりカルテだ。

だがそこには幽霊がいて、この際、エバは友人のアメリアに自分の左腕の部分が透明になっていることを知られてしまう。

 

 

そして、ボブとダーリーンが、どうエバと接しようと話し合いをした翌日にエバは行方不明となる。

ボブは部屋を調べて壊れたスマホを入手し、連絡先を辿って精神病院に行き着く。

 

 

しかしそうこうしている間にもボブの病気は進行していく・・・。

 

アンシーン／見えざる者 まとめ表

タイトル	アンシーン／見えざる者
ジャンル	ホラー、アットホーム、サスペンス
制作国	カナダ
上映時間	104分
日本公開	2016年
監督	ジェフ・レドナップ
脚本	ジェフ・レドナップ
メインキャスト	エイデン・ヤング カミール・サリヴァン ジュリア・セーラ・ストーン ベン・コットン アリソン・アラヤ

 

 

全体的にはすごく好みの作品。

 

一番切ないと感じたのは主人公やエバの悩みについてだ。

透明になるという奇病はどうやら一般的には知られていないようで、

やはり見られれば周囲から化け物扱いされてしまう。

 

年頃のエバは誰にも相談できなかっただろうし、それこそ父親が必要だった。

しかし、父親であるボブも同じ奇病で、さらにはその父も同じ奇病。

 

ボブはその父が抱えた深い絶望を知っていたし、だからこそエバや家族の元から離れて暮らしていた。

同じ病気で誰にも相談できない切なさ。

 

この家族の在り方がすごく寂しくて、切なく感じた。

 

他人には問題に入ってほしくなく、その誰も寄せ付けない様や、

精神病院に入院させられたという事実から、傍から見れば変人奇人にしか見えないだろう。

 

こういう周囲との孤立を描く様はすごく上手いと思うし惹きつけられました。

 

 

そしてこの孤独が解消され、家族の絆が再び結ばれていく様は美しいと思った。

この家族は父から子そしてまたその子と奇病が続いたことで不幸でした。

 

ですが、その不幸を取り戻そうとするあのエンディング。

描かれなかったですが、迎えに行って、もう一度家族になろうとしていることがしっかりと伝わりました。

 

難点としては薬物関連の設定について別にいらなかったように思う。

もう少しナチュラルにその設定を使っていればさらに評価は上乗せで来たんだが、充分いいものを見せてもらいました。

 

 

 

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