
ドラゴンボールに登場するサイヤ人は強敵と戦い、瀕死の重傷を経て復活した場合、戦闘力がアップするという特性があります。
『戦闘民族サイヤ人』らしい特性ですよね。
しかし、この瀕死復活パワーアップについて、この特性が判明してから原作を読み直すと、
中々、納得できない個所が多々あります。
例えば、一番最初に瀕死の重傷を負ったピッコロ大魔王との死闘について。
悟空はそれほど戦闘力が伸びた様な印象はありませんでした。
作品を都合よく進めるための後付け設定と言ってしまうとロマンがありませんが、
この仕組み自体は魅力的。
そこで、この瀕死復活パワーアップについての具体的な条件や上昇倍率を考察していきます。
※ 作品について中傷する気はなく、一ファンの私見と思って温かい目で見ていただければ幸いです。
Contents
ドラゴンボール サイヤ人の瀕死復活パワーアップ
作中でクリリンはサイヤ人の瀕死復活パワーアップについて知ったとき、
悟空の強さについて『悟空は激しい戦いをした後は確かに強く・・・』云々というような事を言っています。
悟空もそれについては薄々感じていたようで、
地球からナメック星へ行くまで間、自分を痛めつけるような修行をしていました。
ですが、戦闘力の上昇値についてもまちまちで、ばらつきがありました。
まずは作中の瀕死復活パワーアップの描写を考えていきます。
瀕死復活パワーアップ描写1 ベジータVSキュイ
ベジータの戦闘力は1万8千。
それがフリーザ軍の認識でした。
しかし、ベジータがキュイと戦う際、戦闘力は2万4千まで上昇し、ドドリアやザーボンを驚かせました。
瀕死復活パワーアップ描写2 ベジータVSザーボン
この時点でベジータはザーボンの戦闘力を上回っており、戦闘においても優勢でした。
しかし、変身後ザーボンの前にはなすすべなく敗れており、その後メディカルマシーンで治療を受けた後、完勝しました。
作中ではこの後、ベジータはギニュー特戦隊のリクームと戦いますが、
この際、戦闘力3万近くまで上がったことが分かっています。
そしてそれでもリクームにはかなわず、再び瀕死にされます。
瀕死復活パワーアップ描写3 ベジータVSフリーザ(第一形態)
ベジータはリクーム戦で瀕死にされたあと、悟空からもらった仙豆で全快します。
このあとジースと戦闘をしますが、ジースを苦も無く瞬殺することができています。
ここから先、ベジータの戦闘力について正確な値は分かっていませんが、この次の相手はフリーザ第一形態(戦闘力53万)。
ベジータが青筋を立てながら戦闘力を高めた結果、フリーザの最新型のスカウターは壊れました。
最新型のスカウターの計測能力について、悟空の戦闘力18万までは計測できているため、
ベジータのこの時点での戦闘力は18万をはるかに超えていることになります。
※ちなみにドラゴンボール大全集などでは戦闘力は25万らしいです。
戦闘力3万から一気に戦闘力18万以上と、これまでにない上昇を果たしました。
瀕死復活パワーアップ描写4 ベジータVSフリーザ(第四形態)
フリーザの底知れぬ戦闘力を見て、このままでは到底かなわないと察するベジータ。
そこでベジータは瀕死復活パワーアップを狙ってクリリンに殺されかけます。
その後、フリーザ第四形態の動きについていけるレベルに達しました。
フリーザの戦闘力についてはこの記事では控えますが、
直前で戦ってた戦闘力100万以上のピッコロをはるかに凌駕しているので、
元の戦闘力を10倍以上引き上げていたのは確実でしょう。
瀕死復活パワーアップ描写5 悟空VSフリーザ(第四形態)
ギニュー隊長に体を奪われた悟空。
悟空は、その体をベジータによって徹底的に痛めつけた結果、瀕死復活パワーアップを果たしました。
この際、フリーザには全くかなわなかったものの、ベジータよりもはるかに上の戦闘力を身に着けていました。
ドラゴンボール 瀕死復活パワーアップの条件を考察
ベジータの瀕死復活パワーアップ描写を見る限り、
そこには目標とする敵が必ずいて、その強さを肌で感じていました。
ベジータが2万4千まで戦闘力を上げたのは、地球で悟空と戦った時の悟空の戦闘力がそのくらいだから・・・。
ザーボンを倒した際に戦闘力が3万になったのはザーボンの戦闘力がそのくらいだから・・・。
フリーザ第一形態と戦う際、ジースを瞬殺できたのは、ギニューの強さとその上、フリーザの強さを知っていたから・・・。
※重ねて推測になりますが、この時点でベジータは『自分の力はフリーザに届く』という自信があったと思われます。
そしてこの後、フリーザの限界を捉えた(と勘違いした)ベジータは再び瀕死復活パワーアップを遂げますが、
フリーザの強さを見誤っていたから勝てなかった・・・。
次に悟空についての瀕死復活パワーアップを考えてみます。
悟空は最大100倍の重力修行と仙豆を4粒使って瀕死復活パワーアップを狙っていました。
ですが、肉体的な強さはギニュー隊長が悟空の身体で出した2万3千という数値が示すように、それほど伸びていません。
むしろ、通常の修行レベルで、ベジータの瀕死復活パワーアップに比べれば全く伸びてないとすら言えます。
仙豆を4粒も使うほど自分を追い詰めたのに。です。
完全に仙豆の無駄遣いとすら言えます。
要点をまとめると
- 瀕死復活パワーアップには敵が必要
- 瀕死復活後の戦闘力数値は敵によって変わるので一概に言えない
悟空にとっての仮想敵はベジータで、
そして、ナメック星に向かう直前に『ベジータよりも強いヤツがゴロゴロいる』という情報は聞いたものの、
その『強さ』については全く未知数でイメージすることができなかった。
つまり、悟空はナメック星に向かうまでの重力修行は肉体の強化や体力増強という意味での修行でしかなく、
瀕死復活パワーアップについてはできていない可能性が高い。
悟空が明確に瀕死復活パワーアップができた描写はフリーザ戦の時だけです。
悟空は、ギニューに身体をとられてフルボッコにされて治療を受けた時、
フリーザと悟飯たちの戦いを観測しており、フリーザ第四形態状態の初期状態までを見ています。
ここで悟空は瀕死復活パワーアップの条件の一つである、敵の存在とその強さをイメージします。
どのくらい強くなれたのかは分かりませんが、戦闘力18万程度では絶対に叶わない相手ですので
間違いなく瀕死復活パワーアップは成功したと言えます。
また、ベジータがクリリンに自ら半殺しにされたとき、興味深いセリフを言っています。
『俺自身で痛めつけても効果はない。お前がやるんだ!』
つまり、悟空がやったのは瀕死復活パワーアップではなく、やはりただ、我慢強くなるための修行だったということになります。